群馬県 脱炭素加速へ 水力発電による電力供給 11企業に

群馬県 脱炭素加速へ 水力発電による電力供給 11企業に
2025/4/18

群馬県 脱炭素加速へ 水力発電による電力供給 11企業に

県内で脱炭素の動きを加速させようと、県は、昨年度から全国で初めて、公営の水力発電所で作った電力を地元の企業に限って供給する取り組みを行っていて、今年度新たに自動車メーカーなど2つの企業を追加しました。
これで合わせて11の企業に、水力発電による電力が供給されることになり、再生可能エネルギーの「地産地消」が進んでいます。

県は、脱炭素の動きを加速させようと、昨年度、県営の水力発電所で作った電力を県内の企業に限って供給する、全国でも初めての取り組みを始め、審査などを経て9つの企業に供給しました。

さらに県は今年度、新たな供給先として、自動車メーカー「SUBARU」の太田市にある工場と、スーパーなどを展開する「ベイシア」を追加しました。

県によりますと、今年度は、昨年度の企業を含めた合わせて11社に対して、一般家庭5万5500世帯余りが1年に使う分に相当する、およそ2億キロワットアワーの電力を供給する予定だということです。

県経営戦略課の大平達行係長は「県内企業からの応募は想像以上に多く、関心の高さがうかがえる。今後、参加企業を増やし、環境に優しい電力の地産地消をさらに進めたい」と話しています。

新たな供給先になった「SUBARU」では、会社が進める脱炭素に向け、大きな後押しとなっています。

太田市にあるSUBARUの本工場です。

車の組み立て作業などを行う本工場では、年間、一般家庭1万6000世帯余りが1年に使う分に相当する、およそ6000万キロワットアワーの電力を使用しています。

会社では、2050年に二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする、カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの活用に取り組んでいます。

しかし、太陽光発電は、パネルの敷地面積の制約などもあり、本工場内の太陽光発電でまかなえる電力は、使用量の数パーセントほど。

それが、今回の県からの供給によって本工場で使う電力は、すべて再生可能エネルギーでまかなわれる計算となり、電力由来の二酸化炭素の排出量は、今後3年の契約期間中は実質ゼロになるということです。

「SUBARU」総務部の長谷川俊一主事は「今後、新工場の建設も予定していて自社の電力需要は、今後も増加する見込みで、再生可能エネルギーへの課題意識から導入を決めた。引き続き電力の自己調達にも取り組んでいきたい」と話していました。

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[cite] : 群馬県 脱炭素加速へ 水力発電による電力供給 11企業に|NHK 群馬県のニュース