桐生の組員射殺事件 稲川会系幹部の男に20年求刑 群馬・前橋地裁公判
2024/11/3
群馬県桐生市で2020年、指定暴力団山口組系の組員＝当時（51）＝が拳銃で殺害された事件で、殺人と銃刀法違反（発射、加重所持）の罪に問われた桐生市の指定暴力団稲川会系幹部組員の男（57）の裁判員裁判の論告求刑公判が2日までに、前橋地裁（山下博司裁判長）であった。検察側は「拳銃を試射し実行役の2人に助言するなど、重要な役割を担った」として懲役20年を求刑、弁護側は同16年を主張し、結審した。
検察側は論告で、拳銃の弾倉の出し入れや待ち伏せする場所について仲間に助言したと指摘。メンツをつぶしたという理由で組員に暴力で報復し、組織の威力を示す暴力団特有の論理で犯行に及んだとして「強い非難に値する」とした。
弁護側は、運転手役にとどまり、拳銃の発射や金属バットで暴行した他の共犯者よりも役割の重要性は低いと主張。「組員の子どもや近隣住民への謝罪の言葉もあった」と述べた。
論告によると、男は仲間3人と共謀して20年1月24日午後7時ごろ、組員が住む桐生市天神町のアパート駐車場で拳銃1丁と実弾3発を所持。2発発射して組員の頭と胸に命中させ、殺害したとされる。
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